Peg Leg Howell & His Gang

今日はゆるさのライヴに足を運んでいただき、本当にありがとうございました!

というブログ記事を書くべきタイミングで何故かペグ・レグ・ハウエル(&ヒズ・ギャング)のご紹介。

戦前アトランタ・ブルース・シーンの重要人物なんて言われているのでずっと聴きたかったんですが、なぜか手に入れておらず聴いていませんでした。
つい先日手に入れ、ライヴの日の夜くらいギター弾かなくても・・・なんて言いながら今日初めて聴きました。

これが素晴らしかったんですよねー。
24曲一気に聴きました。
音もいいです、1926年〜1930年の録音のわりに。
ジャケットも素晴らしい。
小出斉さんの文章も読みごたえがあって楽しいです。

このペグ・レグ・ハウエル、義足のハウエルってことです。
なかなかインパクトのある芸名ですね。
口論の最中に義兄から銃で撃たれたそうです・・・ひどい。
肉体労働はできないから音楽の道へっていうよくあるパターン(?)のようです。
小出さんの文章を解読すると、ギターを手にしたのが18歳の頃で撃たれたのが28歳の頃のようなので、肉体労働ができなくなった頃にはギターが弾けてたんですね。
密造酒なんか作りつつの音楽活動だったようです。

1888年生まれのブルース第一世代ということでブルース以前の雰囲気を漂わせています。
いわゆる”プリ・ブルース”ってやつです。
ギターもなかなかのテクニシャン、歌声も味があっていいんですよ。
ハウエルの相棒フィドル奏者、エディ・アンソニーって人と一緒に録音した曲も多く収録されています。
フィドルが入った途端、ご陽気なナンバーになったりするのがいいですね。
愉快なものからちょっと哀愁漂うものまで、ミンストレス・ショーやパーティーでこういったダンスナンバーを演奏してたのかなぁなんて思わせる曲の数々です。
数々のブルースマンの中でもなかなか個性的で異彩を放っていると思うんですけど。
もっと聴かれてもいいのに。
自分が聴いてこなかっただけでみんな聴いてんのかな。

ちなみに、初めて知ったんですが日本でおなじみ「オクラホマ・ミキサー」って19世紀前半のミンストレル・ショーを通じてポピュラーになった古いフォーク・ソングなんですね。
そんな曲をテーマに使った曲も入っています。
面白い。

こういう戦前モノのCDにたまにあるんですが、24曲中の最後の5曲、ハウエル不参加です。
ペグ・レグ・ハウエルのCDなのに。
なんのこっちゃって感じですが、フィドル奏者のエディ・アンソニーが関わった曲が収録されています。
それだけ重要な相棒だったってことですかね。
アンソニーが亡くなって音楽をやる気がなくなって辞めてしまったみたいだし。


ロバート・ジョンソンのように戦前カントリー・ブルースを聴かない人でも名前くらいは知ってるってほど有名じゃないし、ちょっとマイナーなブルースマンなのかもしれませんが、戦前カントリー・ブルース界での有名人を今さら聴いて素晴らしいなんて感じているあたり、まだまだ入り口をうろついて狭く浅くだなぁなんて思うわけです。
まあまだまだ知らないものがたくさんあるっていう喜びもありますが。
広く深くいきたいところです。
時間がかかりますが。
あ、お金も。


打田十紀夫さんの新譜紹介するつもりだったんだけどなぁ。