ピンとこなかったんよ。

28歳だか29歳だか・・・そんくらいのときにスタジオで働いていた方と歌とアコギのユニットを組みました。
で、その方がまー歌の上手いこと。
横でギターを適当にアルペジオしてみたりストロークしてみたりするくらいじゃ全く話しにならず困ったわけです。

何をどうすればいいのかわからず、とりあえず楽器屋で「1人でギター弾いてる人って誰かいませんか?」っていうぼんやりした質問を店員さんにぶつけてみました。
そこで紹介してくれたCDが打田十紀夫さんの「思い出の鱒釣り」という作品。
ソロギターなるものを初めて聴いたし、実はピンとこなかったんですが、中にTABギタースクールのURLが書いてあったのでサイトを見て、やっぱりピンとこなかったんですが、レッスンの時間も融通が利くしいっかってことでとりあえず行ってみたわけですよ。

全くの異次元で何がなんだかわからず説明を受け、そのときはたまたま生徒さんもいなかったし、結局現場に行ってもピンとこなかったので、とりあえずお勧めのCDを買って帰りますってことでお勧めされたのがチャーリー・パットン。
「ノイズの向こうに・・・」って打田さんが言っていた意味もわからず帰って再生してみたらホントにノイズだらけで。
ブツブツいってるノイズの向こうでパサパサのギターと喉をぶっつぶしたような歌声がしてきたわけです。

結局チャーリー・パットンもピンとこなかったんですが、そのとき教えてもらった打田さんのライヴに行き(今はなくなってしまった代官山のフーチークーチーというお店・・・いいお店だったのになぁ)
、それが素晴らしい演奏で、すごい迫力とドライヴ感、土っぽさやほこりっぽさ、楽しいダンスナンバー等々、とにかくこんな風にギターを弾く人がいるんだ!と衝撃的でした。
ホントに小さなお店でほとんど生音っていうのがさらに良かったのかもしれませんね。

ということで習い始めるわけですが、打田さんに習い始めた頃は打田さんのギターには魅力を感じつつも、戦前カントリー・ブルースなんてよくわからず、レッスンがあるから聴いたけどそんなに興味があったわけでもないんですよね。
ただレッスンは面白いしだんだん弾けるようになるし、なんと言っても打田さんの人柄が素晴らしく、その後数年間お世話になるわけです。


この世界だ!って思って習ったわけでもなく、戦前カントリー・ブルースを聴き始めたわけでもないんです。
ピンとこないまま始め、ずるずると続け、ずぶずぶとハマっていきました。

ハマり始めたのは数年前に久々に聴いたチャーリー・パットンなのでした。



またね。


お勧めです、打田十紀夫さんTABギタースクール